「夫・遠藤周作が残した「3つの宿題」を実現しようと東奔西走している著者が、70数年の人生経験をとおして、現代日本の家族、家庭におくる苦言、提言。 」とアマゾンにはあります。2005年出版。
遠藤順子さんの言葉には耳が痛い思い。目上の方に怒られる(読んでそんな気がしてきます)のは久しぶりで、なんだか嬉しいです。言葉の乱れ、早期教育の氾濫、恥の文化の喪失。時代が違うんだから、と読んで思う方もいるかもしれませんが、普段目上の方に厳しく言われることがない私には新鮮でした。こんな風に言ってもらえるうちが花だと思います。
心を揺さぶられて泣きながら読んだのは、「小さい者のいのちを守る・5人のレポートから」という章でした。遠藤さんは円ブリオ基金という、赤ちゃんの命を守るNPOの活動をされていて、そのつながりで病院の看護部長や助産院院長、産婦人科医などちいさな命を守る現場からのレポートがまとめられています。
男の子ばかり5人を生んだ母親に、「もう男の子はいらない」と思われていた男の赤ちゃんは、生まれるときにもお母さんのお腹からなかなか出てこようとせず、おっぱいも吸おうとしなかったそうです。お母さんがごめんなさい、と一晩心をこめて抱きしめたら、やっと赤ちゃんはおっぱいを吸って満ち足りた顔になったとか。赤ちゃんの命はお腹にいるときから始まっているんですね。ゴミ箱に捨てられていた赤ちゃんが息を吹き返す話、障害を持った子とその家族が生き生きと暮らす話、どの話も涙がこぼれました。
ドイツの赤ちゃんポストについても紹介されていました。この本が出たころには日本にはありませんでしたが、その後の運動で2007年に設置されました。少しの望みでも赤ちゃんが生きる道があるようにと願うひとたちの努力に感動しました。
中絶問題は意見の分かれるところです。前は産む自由もあるなら産まない自由もあっていいのではと思っていましたが、ぼんずを産んで、それが自由なんて言葉からは程遠い、辛いことなのだとわかりました。生まれていなくてもお腹の中にいたのは、まぎれもない命でした。
まとまりがありませんが。



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